ねこについて

ねこについて
寄生虫他
回虫 耳ダニ 瓜実条虫
ノミ特集
ノミとは? ノミの成長過程 体への影響
ねこはどこからきたの? ねこの毛色について。 赤ちゃんの成長。
病気のサイン。 健康診断の必要性。 ストレスについて。
ねこの血液型は?
病気について
猫ウィルス性鼻気管炎 猫カリシウィイルス 猫喘息
拡張型心筋症 炎症性腸疾患 猫下部尿路疾患
慢性腎不全 貧血 マイコプラズマ感染症
乳腺ガン リンパ腫 肥満細胞腫
猫白血病ウィルス 猫伝染性腹膜炎 トキソプラズマ
発作
First Aid
出血 火傷 骨折
中毒に対する対処法 何か飲み込んだ場合
検査で何が解るの?
血液検査 レントゲン検査 心電図検査
尿検査 その他の検査
血液検査結果の読み方
HT(ヘマトクリット) RBC(赤血球数) Hb(ヘモグロビン)
MCHC
(平均赤血球血色素濃度)
TPP(血漿総蛋白) Reti(網状赤血球数)
Fib(フィブリノーゲン) II(黄疸指数) WBC(白血球数)
血液化学検査の読み方
TP(総タンパク質) Alb(アルブミン) Glb(グロブリン)
AST(GOT)
アスパラギン酸
アミノトランスフェラーゼ
ALT(GPT)
アラニンアミノ
トランスフェラーゼ
ALP
(アルカリフォスファターゼ)
GGT(γーGTP)
ガンマグルタミル
トランスフェラーゼ
CK
(クレアチニンキナーゼ)
NH3(アンモニア)
Cre(クレアチニン) BUN/Cre
(尿素窒素/クレアチニン比)
TCho
(総コレステロール)
Glu(血糖値) Na(ナトリウム) K(カリウム)
P(リン) Mg(マグネシウム)
ノミとは?


ネコノミの成虫 左側が頭。大きな後ろ足で大ジャンプをします。

ノミは昆虫で体は小さく(1.5−3mm)、体の色は茶色から黒っぽく、羽はありません。体は左右に押しつぶされた様なかたちをしています。犬や猫を含むほ乳類の毛の間に寄生しています。
成長過程で、たまご、幼虫、さなぎ、成虫と変化していきます。
成虫は寄生している動物の血液を吸います。口の一部を寄生している動物に突き刺して唾液を注入します。
ノミの種類は無数にありますが猫に寄生するのはその中でもはほんの数種類です。
中でもネコノミが一番多く、フェッレト、アライグマ、オポッサム、野生犬科動物にも寄生します。

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ノミの成長過程

ノミの成長過程

たまご

ネコノミのたまごは真珠色で0.5mm、宿主(寄生生物に寄生される側の動物)の上で産み落とされ、その後からだから落ちます。落ちたたまごは2〜7日で孵化します。

幼虫

孵化した幼虫は小さく、白く体に沢山の固い毛が生えています。幼虫の発育には温度、湿度、食べ物などの周囲環境が影響を受けます。幼虫は大食漢でいろんな生物の残渣を食べます。たとえば、ノミのたまごの殻、他のノミの幼虫などで、成虫のノミがした糞(血液成分を含む)は成長に必要な主要成分です。幼虫は光を避けて下へ下へと進む習性があるので、屋内ではカーペットの繊維の付け根、家具の下や隙間に移動します。日光の下では発育できず、相対湿度【その気温で含むことが出来る水蒸気の量と実際の水蒸気との比率】が50%以上、気温が低く(4度以下)も高く(35度以上)もない環境でまゆをつむぎ、さなぎになります。

さなぎ

まゆの繊維は粘張性があり、まわりのゴミをくっつけることで、カモフラージュします。

幼虫が移動した場所でまゆをつくりますので、まゆはカーペットの繊維の付け根、家具の下、動物の寝床の下などにみられます。まゆは乾燥に強く、27度で相対湿度が2%でも80%が成虫になれます。

まゆの中で成虫にたなったノミはまゆに対する機械的圧迫や二酸化炭素、熱などの刺激により羽化します。これらの刺激は宿主がいることを表し、羽化後、宿主に寄生し吸血出来る機会を増やすことに役立っています。刺激がなければ、気温11度、相対湿度75%で30週(210日)もそのまま静かに待つことが出来ます。

成虫

ネコノミはたまごから成虫になるのに最短で13日。温帯気候(地球上の寒帯と熱帯との中間地帯で、緯度23.5度と66.5度の間にある気候の温和な地帯。日本はほぼここに含まれます。)では90〜95%が3〜5週間(21〜35日)で羽化します。温度や湿度の影響で羽化の期間が延長します(60〜90日)。亜熱帯気候(熱帯と温帯との中間の地帯。地理的範囲は明確でないが、緯度にして20〜30度の 間に含まれる。)では96〜99%が14〜28日以内に羽化します。

羽化したノミの成虫は宿主が近くを通過したときに飛び移りやすいようにカーペットのけばや屋外では植物の先端へ移動します。成虫は視力と熱で宿主の場所を探します。光の方向に向かって移動します。成虫に当たっている光を遮ると成虫はジャンプします。光を遮ることが宿主の通過を示しその方向へジャンプします。ジャンプ力は垂直方向に18cm、水平方向に33cmもあります。垂直方向では体長の約100倍、水平方向には約200倍の跳躍力があります。【170cmの人間が垂直方向に新宿京王プラザホテルをひとっ飛び(約170m)、東京タワー
をよこにしてひとまたぎ(長さ333m)するほどの跳躍力です。】

成虫の吸血 繁殖

屋外で生まれた成虫が宿主に寄生できなければ数日しか生存できません。

屋内でも宿主がいなければ1〜2週間しか生存できません。

宿主に寄生したノミは直ぐに吸血を始めます。
メスノミの1日の吸血量は13.6マイクロリットル (0.013ml)

10匹寄生すると1日0.13ml 10日で1.3ccも失われます。

子猫であれば血液量も少ないので大量寄生すれば、重篤な貧血を引き起こす可能性もあります。

産卵はメスの吸血後20〜24時間以内におこります。メスの産卵数は1日に最大で40〜50個、50日間の平均は1日に27個とも言われています。100日以上もたまごを生み続ける能力があります。

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体への影響

体への影響

ノミ寄生による体への影響は、吸血による貧血、皮膚のかゆみと炎症、ノミの唾液によるアレルギー性皮膚炎がみられます。アレルギー性皮膚炎は即時型と遅延免疫反応が含まれます。ネコでは多くの小さな丘疹痂皮性病変が起こり、粟粒性皮膚炎と呼ばれます。

瓜実条虫

ネコノミは瓜実条虫の中間宿主になります。ノミの幼虫が条虫のたまごを摂取し、体内に擬嚢尾虫(瓜実条虫の幼虫)をもったノミの成虫になります。このノミを飲み込むことでネコ、ヒトも瓜実条虫に感染します。小腸に寄生し約一ヶ月ほどで成長します。成瓜実条虫は成長すると長さ40〜60cmほどにもなります。瓜実条虫に感染したネコから瓜実条虫の一部である片節がちぎれて出てきます。ちぎれた片節は肛門周囲もしくは、便の上にうごめいているのが見つかったり、乾燥してまさに瓜の実(種)のようにネコの寝床に落ちていたりします。この中に瓜実条虫のたまごが入っています。ノミのいない環境では瓜実条虫の感染はおこりません。片節を摂取してもそれが瓜実条虫の成虫になることはありません。逆に瓜実条虫だけを駆虫してもノミの寄生をなくすことが出来なければ、瓜実条虫は再感染してしまいます。瓜実条虫が寄生することでの症状はあまり出ませんが、下痢や体重減少の原因になることがあります。

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感染のコントロール

寄生の診断

感染のコントロールはまず感染、寄生があるかどうかを見極めることが必要です。

ノミ寄生の診断は、直接目でノミの成虫を確認するか、ノミの成虫が排泄した糞を確認することにより行われます。ノミ取り櫛などを用いて毛についている成分を集め、水を含ませたティッシュで拭き取り観察します。ノミの糞が有ればその小さな部分の周囲がティッシュを赤黒くにじみませ、血液の存在を示します。

ノミのコントロールは

動物のノミを駆除する。環境のノミを駆除する。再感染を防ぐ。それぞれを行わなければなりません。ノミは成虫5%さなぎ10%幼虫35%たまご50%とからだについている成虫は全体の5%でしかなく、95%は環境内にいます。成虫駆除だけを行ってもノミの感染が防げないのは環境のノミ駆除が不十分だからと考えられます。

現在では成虫駆除だけでなく、IGRとよばれるノミの繁殖をおさえるものも使用できるようになっていますし、投与も簡単で、安全に、予防駆除期間も長く、使用できるものが多くあります。ただ、やはり動物に投与する薬だけに頼るのではなく掃除機で部屋の隅を頻繁に掃除することや、くん煙剤を使用し環境のノミ駆除も一緒にしていくことが重要と思われます。

ノミ駆除は、ノミを介してネコに感染し、人おこるまれな病気である、ねこひっかき病の原因である細菌の(Bartonella hensalae)感染予防にも役立ちます。

人間にとっても、ねこにとってもいいことのないノミ寄生を減らすために適切な予防コントロールを行ってあげましょう。

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ねこはどこからきたの? 現在では、いろいろな種類、毛色、毛質のねこがいますが、その家ねこのルーツは、一般的には、山ねこだと言われています。リビア山ねこです。現在のタビー模様(縞模様)によく似たもので、顔つきからすると普通のねこ、と言う感じです。この母なるねこから、いろいろな交配を経て数々の種類が出来上がってきました。さらに、さかのぼってルーツを探ると4500万年ほどまえのほ乳類、食肉目のミアキスという動物から分化してきたようです。そのちょっと前は白亜紀つまり恐竜の時代です。とにかくかなり昔です。この動物は、ねこだけでなくほかのイヌ、クマ、ハイエナなどの祖先でもあるようです。進化とはとても長い年月がかかりますが、確実に起こるものなのでしょう。今後ねこはどのようになっていくのでしょうか?それに人間は?ともに幸せに生活できるようにと思うばかりです。先頭に戻る。
ねこの毛色について。 たくさんの色の子がいますよね、白、黒、茶色、三毛等これらすべての元は、タビーつまり縞模様のねこから変化したもののようです。いろいろな情報が入っている遺伝子が混じり合ったり、突然変異したりして今のようになってきたのです。遺伝とは不思議なもので、お父さんお母さんねこと顔は似ているが、色が全く違う子が生まれたりします。先頭に戻る。
赤ちゃんの成長。 ねこの妊娠期間は約2ヵ月です。生まれたての子ねこはとても小さく、まだ眼は開いていないし、耳の穴も塞がっています。ただ、嗅覚はかなり発達していて自分が吸うお母さんのおっぱいがどれかわかるぐらいだと言われています。眼も耳も大体5日前後で開いてきます。開いてもまだ感覚器としては不十分で、徐々にものをきちんと見たり、聞いたりできてきます。体の成長は、ねこの種類や遺伝的性質にもよりますが、約1年をかけて行われます。精神的な成長はその後も続いていきます。先頭に戻る。
爪の不思議。 大人のねこの足は、爪が隠れていますが、子ねこの時はこの爪を引っ込めることはできません。成長とともに木に登ったり、けんかしたり、など必要なときにのみ爪を出すことができます。先頭に戻る。
病気のサイン。 ねこは、当然のことながら人間の言葉をしゃべることはできません。ただ、いろんなサインを送ってくれます。それは、鳴くことだったり、しっぽを振ることだったり、走り回ることだったり、そのような、サインにほんの少しの違いが見られる場合があります。これは、生活をともにしている人しか解らない些細なものである場合が多いです。他の人には解らない微妙な変化に気づいてあげましょう。それが、もしかすると大きな病気の早期発見につながるかもしれません。具合が悪いこと伝えられないし、いろんなコトを我慢してしまうねこ。自分でコントロールできなくなって明らかに具合が悪くなってしまう。そこで、病院に連れてこられる。その時には、病気はかなり進行してしまっている。基本的に病院好きのねこは少ないと思うので、ちょっとのことでは行きづらい。人間もそうだと思いますが、でも、病気は、早く見つけて適切に治療することが一番いいです。おかしいな。と思ったら早めに診察を受けることをおすすめします。それで、もしなにもなかったら・・・それが一番いい結果です。先頭に戻る。
健康診断の必要性。 病気を早期発見する方法の一つはやはり、健康診断でしょう。病院で、体に触って、聴診して、体重計って。そこで、まだ体に影響を出していない病気が見つかることも少なくないです。ただ、病気は、残念ながら身体検査だけでは解りません。たとえば、ねこは腎臓病、膀胱炎などの尿の問題が起こりやすいので、尿検査をお勧めします。尿液体のままきれいな容器にいれ、ってきましょう。尿採取はかなりこずることがいようです。また、血液検査でわかる病気いです。肝臓腎臓血液病気などたくさんの病気血液検査によってのみることもなくないです。血液検査場合食事をっていると検査影響がでることがありますので、しかわいそうですが絶食病院かれたがいいでしょう。身体検査定期的うなどして、早期に病気が発見できればねこへの負担、ストレスもります。定期的少なくとも1年に1〜2回、ある程度年をとったら年に2〜4回は健康診断を行いましょう。先頭に戻る。
ストレスについて。
入院治療して。
『イヌは人につき、ねこは家につく』なんて言われることがあると思いますが、ねこは環境の変化に対するストレスを感じやすいと言われています。とくに入院するとストレスで食事を受け付けなかったり、トイレを我慢したり、ストレスは馬鹿にできません。なるべく入院しなくてすむようにここでも病気の早期発見が重要です。ただ、残念ながら病気進行したり、手術けなければらない病気なら入院治療選択する必要があります。入院治療にいかにストレスをかけないようにするか、そのねこによって対処方法なりますが、使用しているトイレや、食器使ったり、また、べているものと食事をあげたり、面会ってあげたり、いろいろです。入院治療になったらよく相談してストレスのない入院生活れるようにしてあげましょう。先頭に戻る。
ワクチンってなに? ワクチンで病気を予防することは、よく知られていますよね。今、ねこ用にもいろんなワクチンがあります。海外には日本で認可されていないものもたくさんあります。体は一度病気になるとその病気になりにくくなる仕組みがあります。その仕組みを応用したものがワクチンです。ただ、本当に病気にかかってしまうと、大変ですから病気にならないように変化させたウィルスなどの病原体をワクチンとして使用し、体にはその病気を覚えさせ、本当の病気から体を守る。これがワクチンです。病気からってあげるためにはワクチンは重要です。とくに、生後接種するワクチンは重要です。適切時期適切なワクチン接種をしてねこを病気からってあげましょう。先頭に戻る。
ねこの血液型は? 血液型、ほとんどがAです。スコティッシュ、ペルシャの1から2、ブリティッシュショートヘアの半分。B母親とA父親で、A子供まれるとB母親体内にある抗体新生児黄疸いう病気が起こります。先頭に戻る。

呼吸器感染症
猫ウィルス性鼻気管炎 ウィルスにより結膜や鼻粘膜が障害を受け、目やに、鼻水、クシャミがみられます。子ねこが感染することが多いです。感染したねこからのクシャミ、グルーミングなどで移ります。感染が疑われる子がいる場合で、何匹かねこを飼われているならまず症状の見られる子を隔離して、他のねこに移らないようにするべきです。症状がひどくなると眼が開かなくなるほどまぶたが腫れたり、鼻水で鼻の穴が塞がってしまう子もいます。こうなってしまうと食事がとれず衰弱し、病状の進行とともに肺炎等を併発、最悪の事態になってしまうケースもあります。このウィルス病は単独感染で症状が見られるだけではなく、ウィルスでは、カリシウィルス、他の病原体では、クラミジアやマイコプラズマなどとの混合感染が見られます。治療は栄養を十分に与え、抗生物質を与えます。抗生物質は、飲み薬や注射、また、それに加えて目薬も使用します。ときには、ねこ用のインターフェロンを注射、また目薬とし用います。目やにや、鼻水を気にして顔、特に眼を気にしてこすってしまうことにより、目に傷が付いてしまう場合もありますので、眼を傷つけないように、首の回りに円形のエリザベスカラーを付けることもあります。入院治療か通院治療かは、症状の重さや目薬の投与、投薬等の家での治療にかけられる時間などにより判断されます。このウィルスは、ワクチンで予防すべきものですので、感染をひどくしないようにしっかりしたワクチン接種が重要です。先頭に戻る。
猫カリシウィイルス ウィルスにより口の中の粘膜が障害を受け、クレーターのように削れてしまう潰瘍がみられます。子ねこが感染することが多く、また、猫ウィルス性鼻気管炎と混合感染することも多いです。鼻の頭や舌の表面にも潰瘍ができます。発熱や潰瘍による食欲不振、他の病気の混合感染により症状の現れ方が異なります。慢性的に口の中に感染し慢性口内炎の原因になります。このウィルスは体の関節にも影響を与えることがありますので、歩き方がぎくしゃくしたり、足を動かすのをいやがったりすることがあります。治療は、十分に栄養をとらせ、抗生物質を使い二次的な細菌感染をくいとめます。ねこ用のインターフェロンを注射、点眼します。入院治療か通院治療かは症状、状態、家での治療にかけられる時間等により判断されます。このウィルスは猫ウィルス性鼻気管炎と同じくワクチンで予防するべきものですので、しっかりとワクチン接種を行い病気からねこを守ってあげましょう。先頭に戻る。
猫喘息 アレルギー性の疾患です。アレルギーとは体に入った物質に対して体が必要以上に反応しそのため有害な症状をもたらすものです。ねこ喘息は、有害反応が肺に起こり咳や呼吸に異常が見られます。その反応を起こす物質をアレルゲンと呼びますが、何がアレルゲンになっているかがわかり、それに接しないようにできれば症状が治まります。ただ、アレルゲンになる可能性のものは無数にあるので特定することはかなり難しいです。種々のアレルギー検査を行ってできるだけアレルゲンを追求する必要があります。うまく見つからなくてもアレルゲンは一つでない場合が多いので、見つかったアレルゲンになるべく接しさせないようにし、うまく投薬や食事管理をして病気を管理していく必要があります。ねこ喘息はアレルギー疾患ですので他のアレルギー疾患同様治す病気ではありません。うまく管理をして、症状のないなるだけ通常の生活を送らせてあげることが目標です。このためには、定期的にレントゲン検査をして肺の状態をチェックしたり、血液検査で体の状態を見てあげることも必要です。先頭に戻る。
循環器疾患
肥大型心筋症 いくつかの種類のねこには、遺伝病であることが証明されていますが、どんなねこにも起こる可能性がある心臓の病気です。心臓は、筋肉のかたまりで、中心部分が血液をいれ、押し出すために空洞になっています。通常はこの空洞に血液が満たされ、その血液は、心臓が収縮することにより心臓から押し出されていきます。肥大型心筋症とは肥大という文字から想像されるように心臓の筋肉が腫れて厚くなります。この結果心臓の中の空洞が狭くなりうまく血液が溜められなくなります。そうなると、送り出す血液量も減りますので体に必要な血液が不足したり、また、血液の流れが悪くなります。流れが悪くなると血液の成分が漏れ出てきます。漏れ出る場所によって症状が違いますが肺の中にたまったり(肺水腫)、外にたまったり(胸水)して呼吸が苦しくなります。治療は腫れてしまった筋肉を元に戻すことはできませんので、これ以上体に影響を出さないようにまた、筋肉の腫れを抑えるために投薬による治療を行います。この病気は、治すのではなく症状の進行を抑え、症状のない質の高い生活が送れるようにするのが目的です。先頭に戻る。
拡張型心筋症 食事に含まれるねこにとっては、欠かせないタウリンと言う物質の不足によって心臓の筋肉が薄くなり、心臓の力が弱まってしまう病気です。最近のねこ用の食事にはタウリンがきちんと含まれていますので、この病気にかかるねこはほとんどいなくなっています。治療としては、不足しているタウリンを与えることです。先頭に戻る。
消化器疾患
炎症性腸疾患 慢性の嘔吐、下痢が主要な症状の病気です。この手の症状はいろんな病気で起こりますので、炎症性腸疾患を診断するためには、生検といって胃や腸の一部を内視鏡か開腹手術によってとり、病理組織検査によって診断する必要があります。原因は、食事が合わなかったり、細菌の関与があったりと、様々です。治療は食事管理や、投薬で行いますが、長期的な管理が必要になることも多くお薬をずっと続けなければならないねこもいます。うまく管理ができれば、通常に近い生活ができるようになりますが、定期的に診察、血液検査等のチェックは必要です。先頭に戻る。
泌尿器疾患
猫下部尿路疾患(FLUTD) 膀胱炎に代表される病気です。膀胱結石、砂粒症、特発性膀胱炎、細菌性膀胱炎などさまざまな病気がありますが、頻尿つまりちょこちょこおしっこしてしまうことや、普段しないところでおしっこしたり、トイレに長い間座って力んでいたりなどの症状が見られます。原因により治療法が異なります。原因を調べるためには、尿検査が必要です。ただ、病気がまさに起きているときは、少量のおしっこしかしないことがほとんどなので、抗生物質や消炎剤による治療を先行させ症状が良くなった時点で尿検査を行い原因を調べそれに合わせ治療を変更する方法がとられることが多いです。その他の検査方法として、レントゲン検査や超音波検査、原因によっては血液検査も行います。とくに雄ねこでは尿道が狭いので膀胱内にできた砂や石、傷ついた細胞や炎症物質などがつまり、おしっこが出なくなってしまう場合があります。この状態を放置すると腎臓に負荷がかかり急性腎不全が起こります。急性腎不全を放置しておくと命に関わる状態になりますので、おしっこが出なくなったらなるべく早く病院で診察することが必要です。頻尿で一回にする尿があまりに少ないとおしっこが出ているのか出ていないのか解らないこともあります。詰まってしまっていては大変ですので、病院で診察し膀胱の状態を確認する必要があります。先頭に戻る。
急性腎不全 腎臓は、体内の老廃物(ごみ)を血液から濾過して、尿として体の外に出すことが大きな働きです。急性腎不全はこの老廃物が体外にうまく出せなくなることにより起こります。原因としては、腎臓への血液に供給が極端に低下し老廃物が濾過できなくなる場合(腎前性といいます)、腎臓自体が何らかの傷害をうけおしっこを作れなくなった場合(腎性といいます)、また、腎臓ではおしっこを作れているが、腎臓から先の、尿を送る管が切れたり詰まったりして体外に老廃物が出せない状態により起こります(腎後性といいます)。治療としてはまずおしっこを作らせるために点滴や利尿剤、また、おしっこが詰まって出せない場合はその詰まりを取り除く、管が切れたりした場合は状態を安定させ手術をし管をつなぐ。などです。先頭に戻る。
慢性腎不全 腎臓が何らかの傷害を受けると、これには先天性の病気も含まれますが、その傷害が徐々に腎臓の老廃物を除去する能力を低下させていきます。少しずつ何年もかかって悪くなる場合があります。腎臓は機能の半分を失っても体にはほとんど影響を与えないほど、予備能力があります。この機能が半分になっている状態は慢性腎障害で老廃物は体外に尿として排泄できています。しかし、さらに病気が進行し腎臓の機能が低下すると老廃物か体に蓄積し始めます。このころになると腎臓は老廃物を何とか体外に出そうとするとともに、尿を濃くする能力の低下も重なってたくさんの尿を作り始めます。この状態を多尿と呼びます。尿がたくさん出るためにのどが渇きたくさん水を飲むようになります。この状態がしばらく続きますが、この後、老廃物の蓄積により食欲の低下、嘔吐等の症状がみられてきます。また、腎臓からは血液をつくるホルモン物質が作られていますが、これの量が減少するため、貧血も認められます。悪くなった腎臓の機能を完全に元に戻す方法はありません。状態が悪くなる前に病気をみつけ、食事管理や投薬で、腎臓への負担を減らし、病気の進行を遅らせることが必要です。若いねこでもこの病気なりますが、通常は8歳以上で中高年のねこの病気です。ある程度年をとったら尿の量には十分注意してください。尿の量が解らない場合でも水を飲む量が増えることもこの病気の特徴です。水の飲む量が増えた場合は注意が必要です。できれば尿検査もしくは、一日の摂取水分量を計ることをお勧めします。ねこの1日の正常水分摂取量はドライフード食で体重1キログラムあたり60cc缶詰食で10ccです。これ以上の水分摂取は過剰な場合が考えられますので、尿検査や血液検査をお勧めします。先頭に戻る。
血液疾患
貧血 貧血とは血液中にある細胞の赤血球が何らかの原因で低下した状態のことを言います。貧血には3つの大きな原因が考えられます。まずは出血です。出血は血管から血液が漏れ出た状態のことで、この状態が続くと貧血になります。つぎに、赤血球が体内で壊されることにより起こる貧血です。一般的には溶血性貧血と呼びます。あと一つは赤血球が作られなくなることにより起こる貧血です。赤血球は腎臓から出るホルモンの影響を受け適切な栄養分があれば骨の中心部分である骨髄で作られます。何らかの要因により赤血球が作られなくなると貧血が起こります。ねこの赤血球の寿命は約80日です。赤血球が作られなくなってもすぐには重度の貧血にはなりません。治療は、原因により異なります。出血があれば出血を止めることが最優先です。溶血性の場合は溶血を起こしている原因を突き止める必要があります。骨髄で作られない場合も原因が何か調べる必要があります。この場合、骨髄の細胞をしらべる検査が必要になることがあります。先頭に戻る。
マイコプラズマ感染症 以前にヘモバルトネラ感染症または、ねこ伝染性貧血などと言われていた病気です。血液中の赤血球に寄生体(マイコプラズマ)が付着しその寄生体を体が排除しようとするときに赤血球が一緒に壊され貧血になります。一般的には、発熱と赤血球が壊される臓器である脾臓の腫大が認められます。治療は、抗生物質を用いてマイコプラズマを駆除します。この病気は、ねこ白血病ウィルス感染に伴って起こることが多いので必ずウィルス検査をすることをお勧めします。先頭に戻る。
白血病 白血病とは、血液細胞が血液を作る場所である骨髄中で腫瘍性に増加した状態のことを言います。血液中のどの細胞が白血病化するかによって治療や症状が異なります。この病気はねこ白血病ウィルス感染に伴って認められることが多いためウィル検査、一般的な血液検査や、骨髄の検査が必要です。先頭に戻る。
腫瘍
乳腺ガン(腫瘍) ねこの寿命がのびるとともに腫瘍性の病気がとても増えています。乳腺にできる腫瘍には乳腺ガン、良性の乳腺腫等が認められますが、残念ながらねこの乳腺にできる腫瘍はほとんどが悪性です。できるだけ早期に手術で切除を行う必要があります。ただ、この腫瘍はかなり早い段階で転移(腫瘍の細胞が血流によって運ばれ、運ばれた先で大きくなってしまうこと。)することがあります。転移する可能性の高い場所は肺です。乳腺にできものができたらできるだけ早く切除すること、肺への転移がないことを確認することが必要です。先頭に戻る。
リンパ腫 リンパ球が腫瘍化して増殖した状態のものを言います。リンパ球がどこで増えるかによって治療に対する反応が変わってきます。増える場所としては、胸腺(胸の中にあるリンパ組織)、リンパ節(体の隅々にあります。)、消化管(肝臓や小腸、脾臓、膵臓といった臓器も含みます。)、腎臓、骨髄等です。どこで増えるかにより症状も違いますが、治療は抗ガン剤による治療を行うことが多いです。小腸などにできた腫瘍の場合は手術を行って腫瘍を摘出後に抗ガン治療を行うこともあります。ねこ白血病ウィルスに関与したものも少なくありません。診断には、血液検査、レントゲン検査や超音波などの画像診断を行い、増えている場所からの悪性細胞の採取し確認することが必要です。診断後、治療の効果等を判定するために定期的に血液検査、画像検査をする必要があります。先頭に戻る。
肥満細胞腫 肥満細胞という免疫に関与した細胞が腫瘍化したものを言います。ねこでは、肥満細胞が増加する場所により大きく2種類に分けることができます。一つは皮膚にできるもので、頭に小さな皮膚のできものとしてみられることが多いです。肥満細胞腫は悪性腫瘍ですが、頭部皮膚にできるものは手術によって摘出することで治ってしまうものも多いです。もう一種類は内臓型と言われ脾臓という臓器で肥満細胞が増殖するものです。肥満細胞はその細胞内にいろいろな物質を持っていて、その物資が細胞の外に出されることにより体が影響を受けます。内臓型で一番多い症状は慢性の嘔吐です。それに伴い、脾臓の腫大が認められます。血液中か脾臓で肥満細胞が増殖していることを確認することにより診断します。肥満細胞中に含まれる物質が一度に大量に細胞外に出ることによりショックが起こる事がありますので、肥満細胞腫が疑われる場合はその部位の取り扱いには十分注意が必要です。あまり手荒にさわると細胞内の物質が急にでてしまいます。内臓型の場合、増殖部位である脾臓摘出が必要です。ただ、これで、この病気が治るわけではありません。早期発見できればそれでも年単位でがんばれるねこもいます。嘔吐が慢性的に見られたらやはり、病院で身体検査を受けましょう。先頭に戻る。
感染症
猫エイズ ねこエイズウィルスによって、体の病気に対する抵抗力の源である免疫に異常をきたす病気です。つまり免疫がうまく働かなくなるのでいろいろな感染症にかかりやすくなり、また、腫瘍等の病気も起きやすくなりますが、エイズウィルスに感染してもすべてのねこが発症つまり、エイズになるわけではありません。ストレスのない環境で育ててあげれば寿命をまっとうすることも可能な場合があります。現在では、エイズに対する有効な治療法はありません。ワクチンも海外で発売されていますが有効性はまだまだのようです。エイズは喧嘩、交配等によって移ります。つまり、他のねことの接触があると感染してしまう機会が増えるわけです。これを防ぐためには、やはり、室内飼育をお勧めします。感染するものはエイズだけではありませんし、怖いのは、車やバイク、自転車です。交通事故にも遭わないためにも室内飼育をお勧めします。もし、エイズに感染してしまったら、そのねこは外に出してはいけません。そのねこから別の子にエイズが移り、またその先へと悪循環が始まります。不幸にもエイズに感染してしまうねこを少しでも減らすために、考えてあげてください。ねこエイズはねこの病気で、人間には感染しません。
2009年日本でもエイズのワクチンが発売されました。予防の出来なかったエイズに対する対抗策が一つ追加されました。先頭に戻る。
猫白血病ウィルス
ねこ白血病ウィルスは、ねこエイズほどは感染しにくいですが、ねこ同士の接触で感染します。エイズはねこ同士のグルーミングで感染する可能性は少ないのですが、ねこ白血病ウィルスはグルーミングで感染します。感染するためには、長い間の接触、つまり、仲のいいねこ同士で体をなめ合う事が必要です。ただ、成ねこになると白血病ウィルスに対する抵抗力が増しますので、感染する可能性は下がります。逆に子ねこはまだ抵抗力が不十分なので注意が必要です。現在では、白血病ウィルスに対するワクチンも使用できますので、状況に合わせてうまく使用し感染を予防する必要があります。このウィルスは、名前の通り白血病を引き起こすこともありますが、その他いろんな腫瘍を引き起こします。そのため、感染してから数年で何らかの腫瘍によりなくなってしまうことが多いです。このウィルスを治療することはできませんので、感染しないようにするのが一番です。まずは、他のねこと接触をさせない、つまり室内飼育で育てる。必要があればワクチンも使用する。もし、残念ながら感染してしまった場合、かわいそうですが隔離をして他のねことの接触を断たないといけません。そうしないと、他のねこにも感染し、不幸の連鎖が始まってしまうからです。この病気は、人間には感染しません。先頭に戻る。  
猫伝染性腹膜炎ウィルス ねこコロナウィルスが感染を受けたねこの体内で、伝染性腹膜炎ウィルスに突然変異をおこし発症することが、この病気の特徴です。コロナウィルスを持っているねこを多頭飼育、もしくは、ストレス環境で飼育することにより突然変異が起こりやすいと言われています。コロナウィルス自体は大きな病原性を持ってはいませんが、下痢等の消化器症状が見られることがあります、慢性的にまた、間欠的に下痢をするねこはウィルス検査を受けた方がよいでしょう。伝染性腹膜炎になってしまった場合とくに若いねこの場合、ほぼ亡くなってしまいます。高齢で感染した場合は、インターフェロン等を用いることで長期間いい状態を保っているねこもいるようです。病気の起こり方で2種類に分けることができます。一つは体の中に水がたまってしまうウエットタイプ。もう一つは腎臓や腸などに固まりを作るドライタイプ。ただ、どちらにしてもかなり致死率の高い病気です。この病気に限らずストレスのない環境で育ててあげることはねこにとってかなり重要です。先頭に戻る。
トキソプラズマ感染症 トキソプラズマ原虫という寄生虫感染による病気です。この病気は人畜共通感染症つまり、人に移ります。トキソプラズマが感染してしまったねこからトキソプラズマの卵のようなもの(オーシストといいます。)が便に出ます。かなり小さいものなので、顕微鏡でなければ確認できません。このオーシストが1〜5日ほど放置されると成熟し、感染能力を持ちます。これが何らかの形で口に入ってしまうと感染してしまいます。感染経路は、これだけでなく、外に行くねこでは、鳥やネズミなどの動物を食べることで、その動物体内にあるコクシジウムが感染する危険があります。また、人も同じですが、調理をしていない生肉を食べると、その中にあるコクシジウムが感染する可能性があります。コクシジウムに感染したねこは通常あまり症状を示すことはありません。下痢や発熱、食欲不振等が見られることがあります。とくに、抵抗力の低下した老齢のねこや感染症とくにねこエイズやねこ白血病などの抵抗力を低下させる病気なると症状が出やすいです。人間で特に注意をしなければならないのは、妊娠している方です。妊娠している方でコクシジウムの抗体をもっていないと、流産してしまう可能性がありますので、産婦人科の先生にご相談下さい。コクシジウムのオーシストは通常の消毒では排除することができません。コクシジウムに感染してしまったねこからの感染を防ぐために、一番の方法は、トイレを清潔に保つ事です。便の中にコクシジウムのオーシストがでても、すぐには感染能力がありません。すぐにきれいにすることが必要です。多頭飼育の場合トイレを共有しないようにする事も必要と思われます。先頭に戻る。
猫汎白血球減少症 ねこパルボなどとも言われるねこパルボウィルスによる感染性の病気です。症状は重度の嘔吐と下痢です。子ねこが感染することが多く、適切に治療を行ってもかなり致死率も高いです。ただ、この病気に対するワクチンがありますので、適切な時期にワクチン接種をすることにより予防することが可能です。この病気に感染すると病気と闘う血液中の白血球が低下し病気と闘えなくなってしまいます。治療としては、下痢嘔吐による脱水を点滴により補正し、抗生物質を投与し感染と戦う、できれば早めに栄養補給を行う。とにかく、積極的な治療が必要です。先頭に戻る。
神経疾患
発作 発作様の症状を起こしている場合、その発作の原因は頭の中か、それ以外で起きているものかにより、治療法や病気の経過が異なります。頭以外から起きている発作の場合、主に心臓が原因で循環に問題がある場合と、内臓などの異常によって起きている場合、まれな原因ですが何らかの中毒物質によるもの、などが考えられます。一般的な身体検査、神経の状態を検査する神経学的検査、血液検査、頭部のレントゲン、胸部のレントゲン、心電図検査、ねこエイズ、ねこ白血病ウィルス、ねこコロナウィルス、トキソプラズマ抗体検査などが必要です。頭の中が原因で発作が起きている場合CTやMRIといった特殊な画像診断装置を使っても原因がわからない場合、てんかんと診断されますが、ねこはイヌほど多くはなく頭の中に何らかの変化があることが多いようです。内科的な問題や、中毒などで発作が起き、発作が持続し止まらないような場合は、緊急事態と考えられます。抗痙攣薬や場合によっては麻酔薬を使って痙攣を止める必要があります。それと平行して原因追及を行って原因に合わせた治療も必要です。先頭に戻る。

First Aid
出血 出血には体外に出血する場合と体内で出血が起こる場合と対処方法が異なります。また、動脈性、静脈性、毛細血管性等により、体に対する影響と対処方法が異なります。体内で出血が起きている場合を見つけることは困難です。仮に出血が確認されても家庭内で行える処置は多くありません。体内特にお腹の中で出血している場合、腹帯のようにタオルなどでお腹を圧迫することにより、出血の程度を押さえられる場合がありますが、一時的な処置にしかならない場合が多く、また、あまり強く圧迫しすぎると呼吸がしづらくなりますので、注意が必要です。できるだけ早く病院に連れて行く必要があります。胸の中に出血が認められた場合は、お腹のように圧迫すると呼吸ができなくなりますので、同じ方法では対処できません。できるだけ早く病院で対処する必要があります。体外に出血している場合、出血が確認できますので、基本は、押さえて出血をコントロールすることです。動脈性の出血は、心臓の動きに合わせて血管から血液が吹き出ます、静脈性の場合は、静脈からだらだらと流れ出ます。毛細血管の場合はしみ出るように出血し明らかな出血している場所が解りません。どの出血も押さえて止血することが基本です。指で押さえられる範囲であれば指で、それより広ければ、ガーゼなどを重ねて押さえます。その場合、指はなるべくきれいにしてガーゼも清潔なものを使用しましょう。出血部位に骨折が見られたり、出血している部位に何か異物が入っていて痛みが強く押さえられない場合は、止血帯を使用して出血部位より体の中心部で血管を圧迫します。異物は取り除かずにそのままにしておきます。無理に取り除こうとするとさらに出血したり、傷を広げる結果になります。止血帯は長い間は使用できません。また、止血帯が使用できる場所は手足や尾に限られ、押さえるポイントも決まっています。止血帯に使用するものは、ある程度の太さがあり、柔らかく締まるゴムのひも等が最適です。細い紐やロープでは縛ることにより皮膚や筋肉を痛める結果になります。止血帯を使用する場合重要なことですが、15分以上は使用しないことです。15分後に止血帯を徐々にゆるめて再出血が見られる場合は、止血帯の位置を少し体からはなしまき直すか、外科的な対処が必要です。うまく止血されている場合、出血部位に一時的な覆いをガーゼや包帯を使用して行います。血圧が戻って、再出血が起きた場合覆ってあるガーゼはそのままにしてさらに上から覆いをするようにしてください。最初に行った処置によりできた血液の固まりが覆いを交換するときにはずれ出血がひどくなる可能性があるからです。出血のコントロールを行いながら、できるだけ早く病院と連絡をとる必要があります。先頭に戻る。
火傷 火傷は、直接熱源に接してしまうことにより起こるものや(ストーブやガスコンロ、電気コンロ、など)、化学物質(強い酸性やアルカリ性の物質。アルカリ性物質の方が火傷の程度は重くなります。)により起こるもの、そして、感電により起こるものと様々です。その程度によって、軽度、中等度、重度に分けることができます。重度の火傷は、ほとんどの皮膚が火傷を負うものやとても深くまで、障害を受けてしまったものです。強い痛みが伴います。できるだけ早く痛み止めを投与することが必要です。ただ、人間用の飲み薬は中毒を起こす危険がありますので、絶対に与えてはいけません。重度の火傷をしてしまった場合は、診察前に家でできる処置として、体温を下げない目的のためアルミホイルで体をくるんであげることです。火傷の傷から体液が出て、蒸発するときに体温が奪われます。体温が下がるからといって直接暖めようとすると、その熱で痛みが増しますから直接暖めてはいけません。できるだけ早く獣医の診察を受ける必要があります。火傷の範囲が体の一部分で、それ程深くない中等度の火傷の場合、火傷を広げないために水で冷やす必要があります。氷水は使ってはいけません。水をいやがらなければ火傷の部位を水に浸けてあげるか、水を流しながら火傷の部位を優しく冷やします。化学物質による火傷の場合も中等度であれば水で洗い流します。火傷の部位がきれいになったら、食品保護用のラップを巻いて傷を守ります。感電によるもので、多いのは電源コードを噛んでしまって口の周りに火傷おってしまうことや、むき出しになっていた電源コードを踏んで足の裏を火傷することです。このときには、猫に対する対処を始める前にまず、電源コードを抜くなどして、自ら感電しないように注意しましょう。口の周りや、中には水を流したり(無理に行うと水が気管に入ったりして危険です。)、何かを巻いたりはできませんので、なるべく早く獣医と連絡をとる必要があります。先頭に戻る。
骨折 骨折は、さらなる痛みと、組織の傷を増やさないために固定することが初期治療の目的です。添え木と包帯、ガーゼやコットンを用いて固定します。ただ、痛みのためうまく添え木をつけられない場合もあります。その場合は、無理に固定しようとはせず、獣医と連絡を取り、安静を保ち病院に連れて行くことが必要です。手足、尾の骨折で、添え木を用いて固定できそうな場合、添え木は、必ず骨折部位を挟んで体中心側と体から離れた部位で正常な骨のところにまでかかる長さが必要です。骨折部位で添え木が終わってしまうと骨折している部位より先が固定していないときより異常に動きやすくなってしまうので、痛みや、傷がさらに深くなってしまいます。添え木を固定する場合、緩すぎても、きつすぎてもいけません。緩ければ添え木の意味はありませんし。きつすぎると今度は血のめぐりが悪くなってしまいます。家で行う添え木の処置は病院での診察を受けるまでの一時的なものです。先頭に戻る。
中毒 ねこは、食べのものを選り好みすることが多いですから、適切でない食事や、中毒性の植物を食べてしまうことは多くありません。ただ、体についたものは、毛繕いを行いますので、足先、体から不適切なものを口の中に入れ、食べてしまうことは考えられます。また、中毒性物質を食べた獲物(ねずみ取りを食べたねずみ、ナメクジ用の餌)を食べて中毒なる可能性もあります。中毒性物質を中和解毒するのは肝臓ですが、肝臓の主要な解毒作用であるグルクロン酸抱合の利用が限られているので、多の動物より、薬物中毒にはなりやすく、人間用の薬の中には中毒を引き起こすものが知られています。(アスピリン、アセトアミノフェンなど)。犬用のノミ駆除剤の成分で使用されているものの中にペルメトリンがありますが、これも猫には強い毒性があります。先頭に戻る。
中毒に対する対処法 まず、中毒性物質が皮膚についているのか?飲み込んだのか?いつ飲んだのか?によって対処方法が違います。皮膚についてすぐの場合、ぬるま湯とベビーシャンプーなどの優しいシャンプーでお風呂に入れます。熱いお湯は使いません。熱いお湯を使うと皮膚表面の血管が広がってそこから中毒性物質が入りやすくなってしまいます。お風呂のお湯は何回か入れ替えます。これは、毒素が目に入るの防ぐためです。お風呂に入れるのをいやがる場合は、全身をお風呂に入れるのは危険なので少量のお湯にしましょう。また、お風呂に入れる前に鎮静剤が必要になる場合もあります。うまく洗い流すことができたらタオル等で水気を取り暖かくして乾かします。皮膚をなめないようにエリザベスカラー等でなめさせないようにする必要があります先頭に戻る。
何か飲み込んだ場合 飲み込んで4時間以内ならはき出させることにより、中毒性物質さらなる吸収を減らせる可能性があります。ただ、はき出させることができのは、飲み込んだものが何なのかと、咳の反射ができるかどうかがポイントになります。腐食性の物質を飲み込んだ場合戻させることで、食道へさらなるダメージを与えてしまいます。咳の反射がうまくできない場合戻させる処置を行うと戻したものが気管に入って肺に炎症を引き起こしてしまう可能性がありますから戻させる処置は適切ではありません。はき出させる処置ができない場合は、全身麻酔をして、胃の中を洗浄します。点滴を行い尿をさせ、尿中に毒素を出させる処置を行うこともあります。先頭に戻る。
検査で何が解るの?
血液検査 血液は、血漿と呼ばれる液体の成分と、有形成分である、赤血球、白血球、血小板に分けられます。血液の役割は酸素や二酸化炭素を運んだり、各種栄養素を運んだりと仕事は多種にわたります。血液検査はこの液体成分に含まれる物質を測定することにより内臓等の異常や、、有形成分を測定することにより貧血や炎症等を検出します。また、ウィルスの検査やホルモンの検査も一般的には血液検査行われます。隠れている病気の検出、診断、治療への効果判定等に用いられます。先頭に戻る。
レントゲン検査 レントゲン検査では、体の構造に変化がないかをチェックすることができます。レントゲンの性質上一般的には堅いものはレントゲンが通過(透過)しないため白く写ります。体の中の骨などです。小石や金属などの異物も、レントゲンが透過しないので白く写ります。柔らかいものは密度によってレントゲンが透過の程度が違い、灰色に見えます(肝臓とか腎臓など)。空気はレントゲン透過するため黒く見えます。骨、関節の変化、心臓、肺の異常、肝臓、腎臓、胃や腸、お腹の中のリンパ節、子宮、膀胱、結石などのチェックに用いられます。先頭に戻る。
心電図検査 心臓は、筋肉のかたまりですが腕や足の筋肉とは異なり自分の意志で動かすことはできません。心臓はおもに自律神経と心臓自身によって動きが調節されています。心臓の筋肉に含まれる特殊な繊維が心臓の筋肉に電気的な刺激を与え、その刺激により筋肉が収縮し血液を送り出すポンプとして働いています。この心臓の動きを電気的にとられ波形として表したものが心電図です。心電図を測定することにより心拍数、心臓の大きさ、不整脈等をチェックすることができます。先頭に戻る。
超音波検査 レントゲンは言わば臓器の陰(シルエット)を見ていて、その臓器の形の変化が主です。内部構造はほとんど解りません。超音波検査では、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、脾臓、膵臓、リンパ節、血管系等レントゲンでは解らない内部構造をリアルタイムで安全にチェックすることができます。先頭に戻る。
尿検査 尿検査では尿の濃さ(尿比重:水を1とした場合の尿の濃さを表します。通常1.035以上です。)、試験紙を用いて尿中のタンパク質、血液の有無、尿糖の有無(おもに糖尿病のあるなしをみます。)、ビリルビン(黄疸があるかをみます。)、pH(ペーハー:尿中の酸性、アルカリ性の程度をみます)。
顕微鏡で尿中の細胞(血液細胞、炎症細胞、膀胱の上皮細胞など。)、円柱(腎臓の尿細管で作られるもので、腎障害でみられることがあります。)、結晶などをチェックします。
ある程度高齢になるとねこは水を飲んで尿を沢山する変化がみられることが少なくありません。この場合、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病などが隠れている場合があります。どの病気も早期発見することがなかなか難しいですが、尿検査を行うことで病気の早期発見に大きな役割を果たします。7〜9歳を超えるねこちゃんは少なくとも年1回、出来れば年2回は尿検査をして尿の状態を確かめてあげて、病気の早期発見に役立てましょう。先頭に戻る。
その他の検査 便検査は、下痢や嘔吐、消化不良の原因、細菌や寄生虫、寄生虫の卵などを顕微鏡で調べます。皮膚の検査では、毛や毛根、皮膚表面等を顕微鏡で検査し皮膚病の原因を探ります。眼の検査は、眼の一番外側の透明部分である角膜、その内側の前眼房、虹彩、レンズ、硝子体、光を感じる網膜、そして、体で唯一肉眼で確認できる神経である視神経に異常がないか調べます。神経学的検査では、中枢神経と末梢神経について、異常がないか体の動きから判断します。たとえば、光に対する反射や反応により視力や顔面神経の状態、手足の検査では、感覚、反射、感覚に対する頭の反応は正常か等を調べます。神経に異常があった場合、異常な神経の部位がどこか判断します。先頭に戻る。
血液検査
HT(ヘマトクリット) 血液中の赤血球の割合をパーセントで表した数値です。低下は貧血、上昇は主に脱水による血液濃縮によります。非常にまれな原因として赤血病(赤血球の腫瘍)もしくはホルモン分泌過剰(腎腫瘍などで造血ホルモンであるエリスロポイエチンの増加による。)があります。先頭に戻る。
RBC(赤血球数) 単位あたりの赤血球数を表したもので、低下は貧血、上昇は主に脱水、非常にまれな原因として赤血病(赤血球の腫瘍)もしくはホルモン分泌過剰(腎腫瘍などで造血ホルモンであるエリスロポイエチンの増加による。)があります。先頭に戻る。
Hb(ヘモグロビン) 赤血球中のタンパク質で肺で酸素と結びつき体の隅々まで運ぶ働きをします。鉄イオンをもっているため赤く、血液が赤いのはヘモグロビンが赤いためです。鉄が不足すると赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下し赤血球が小さくなります。(鉄欠乏性貧血、寄生虫の吸血などによる慢性出血が原因)。先頭に戻る。
MCV(平均赤血球容積) 赤血球の大きさを計算式で割り出した物です。赤血球は骨の中心部分である骨髄で産生されますが、産生され血液中に出た直後の赤血球は通常のものよりも大きく、MCVは増加します。このためMCVの上昇は赤血球が産生されているかの指標になります。またMCVの低下は赤血球が小さいことを表し、赤血球中のヘモグロビンの低下(慢性出血、慢性寄生虫感染などによる鉄欠乏性貧血)を示唆します。先頭に戻る。
MCHC

平均赤血球ヘモグロビン濃度)

赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度を計算したものです。MCHCの上昇は赤血球に含まれるヘモグロビンが多いことを表しているのですが赤血球に含むことが出来るヘモグロビンの量は限界があるため通常上昇は起こりません。もし上昇がみられた場合は測定誤差か溶血によってヘモグロビンが血液中に漏れ出てたためと考えられます。低下は赤血球に含まれるヘモグロビンの減少を表し、赤血球の産生が盛んになるとヘモグロビン濃度の低い赤血球が増えそのためMCHCが低下します。よって赤血球の産生の指標になります。また、慢性出血などにより体内の鉄が減少すると赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下しMCHCが低下します。MCHCの低下は鉄欠乏性貧血の指標になります。
貧血時にMCVが上昇しMCHCが低下すると大きな赤血球でヘモグロビンの濃度の低下が起きていることを表し、大球性低色素性貧血といい赤血球の再生が起きているという指標になります。MCVが低下しMCHCも低下している場合は小さな赤血球でヘモグロビンの濃度も低下してることを表し、鉄欠乏性貧血の指標になります。先頭に戻る。
TPP(血漿タンパク質) 血液の液体成分である血漿の蛋白濃度で、脱水等の血液濃縮や免疫反応などの免疫性蛋白の産生の増加で上昇し、産生の低下や出血や腸、尿、体腔内貯留、やけどにより失われると低下します。先頭に戻る。
Reti(網状赤血球数) 赤血球が産生されているかを判断するための特殊な染色を用いて顕微鏡で検出します。赤血球の産生が増えると成熟赤血球になる一段階前の網状赤血球が増えます。このため網状赤血球の増加は貧血の改善や骨髄での赤血球をつくる能力の指標になります。
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Plate(血小板数) 血管が傷ついたときに出血を止める働きをする血小板の数が十分にあるかを評価します。血小板数の低下は出血を止めるために使われて産生が追いつかない場合、免疫性に血小板が攻撃破壊されてしまう場合、骨髄での産生が低下している場合に起こります。増加する場合は興奮による場合がほとんどでその他産生の増加、隔離、除去の低下により増加します。多くの場合増加による全身症状は伴いません。先頭に戻る。
Fib(フィブリノーゲン) 血液中のタンパク質の一種で体の中で急性の炎症が起こると上昇します。フィブリノーゲンと血漿タンパク質との比をみることで、フィブリノーゲンの上昇が単なる脱水によるものか意義のある急性期蛋白として上昇しているかの判断をすることができる。比率が15より大きければフィブリノーゲンの上昇はないと判断します。先頭に戻る。
II(黄疸指数) 血漿の色が黄色くなる黄疸の程度を色の比較により判断します。通常血漿はほぼ透明です。黄疸指数が上昇すると黄疸の程度が高いと判断します。黄疸は重度肝疾患、胆嚢胆管系障害、溶血性貧血によりみられます。先頭に戻る。
WBC(白血球数) 単位あたりの白血球の数を表したもので、白血球はさらに好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球に分類されます。上昇は主に白血球中で通常は最も多い好中球の上昇によることが多く、感染、炎症、興奮、ストレスより起こります、減少は主に好中球の減少によるもので重度細菌感染、ウィルス感染などによりおこります。他の白血球の上昇も起こります。
リンパ球増加症はねこで興奮後30分ほどで起こります。リンパ球の腫瘍であるリンパ腫、もしくはリンパ性白血病でも上昇します。慢性炎症やワクチン接種などの抗原刺激のよっても上昇します。甲状腺機能亢進症でも上昇することがあります。
好酸球増加症はアレルギー疾患、寄生虫疾患、ある種の腫瘍で増加します。
好塩基球増加症は免疫介在性に上昇することがあり、特にアナフィラキシーや皮膚過敏症などで、外部寄生虫でも上昇ししばしば好酸球増加症を伴います。高脂血症で増加することもあります。先頭に戻る。
血液化学検査
TP(総タンパク質) 血液中に含まれる様々な種類のタンパク質の総量です。タンパク質の主なものとして、アルブミンや免疫グロブリンあります。脱水、炎症等で上昇し、出血、消化器疾患、腎疾患等で減少します。他の血液検査結果と合わせて評価をします。先頭に戻る。
Alb(アルブミン) 血液中に含まれる単純タンパク質(アミノ酸のみからなるタンパク質)で肝臓で作られます。栄養失調や肝機能不全などで生成が減少するとアルブミンの濃度が低下します。アルブミンは小さなタンパク質なので腎臓や腸から漏れやすく、腎疾患や腸の疾患で低下します。純粋にアルブミンが上昇する疾患はありませんので、上昇している場合は脱水が一番に考えられます。正常であれば血液中のタンパク質の約50%がアルブミンです。血液中浸透圧の決定因子であり、多くの物質の輸送に関わります。先頭に戻る。
Glb(グロブリン) 血液中に含まれるタンパク質で大きく4つの分画に分けることが出来ます。中でもガンマ分画とさる免疫グロブリンは形質細胞(白血球中のリンパ球から分化したもの)で作られるもので抗体とよばれます。(細菌やウィルス、感染を受けた細胞等と結合しこれらの除去、免疫反応を引き起こし感染等に対抗する。)肝疾患、自己免疫疾患、脱水により上昇します。ガンマ分画以外のα、βグロブリンは肝臓で合成されます。先頭に戻る。
A/G比

アルブミン/グロブリン比)

アルブミンは高くなることはありませんので、この値の低下は肝疾患や栄養失調でアルブミンが下がり、グロブリンが上昇していることをあらわします。また、この値が上昇した場合はグロブリンが減少していることを表しますので猫エイズやステロイド剤の投与による免疫抑制状態などが考えられます。先頭に戻る。
AST(GOT)

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)

肝細胞、心筋細胞、骨格筋細胞中に含まれ、それぞれの細胞の障害(炎症)が起こると血液中に漏れ出るため濃度が上昇します。先頭に戻る。
ALT(GPT)

アラニンアミノトランスフェラーゼ)

肝細胞中に含まれ、細胞の障害(炎症)が起こると血液中に漏れ出るため濃度が上昇します。先頭に戻る。
ALP(アルカリフォスファターゼ) 肝臓、腎臓、骨芽細胞、胎盤、小腸など全身の膜上皮にあり、それらの細胞が傷害を受けた後の再生時にALPの合成が亢進し血液中の濃度が上昇します。通常胆道系の障害で上昇することが多く、肝・胆道系酵素と呼ばれます。骨腫瘍、甲状腺機能亢進症でも上昇することがあります。アルカリフォスファターゼの生理学的機能はわかっていません。犬や人ではステロイド投与によって上昇しますが猫では上昇しません。先頭に戻る。
TBIL(総ビリルビン) 赤血球に含まれるヘモグロビンが分解されて出来るもので、肝臓で処理され胆汁として十二指腸に出る水溶性の抱合型ビリルビンと処理されていない非抱合型ビリルビンに分けられます、それらを総合したものが総ビリルビンでヘモグロビンの分解が増える溶血性疾患や肝障害で抱合の低下もしくは胆汁うっ滞により上昇します。ビリルビンが蓄積すると黄疸となり皮膚、粘膜が黄色くなります。先頭に戻る。
GGT(ガンマーGTP、γガンマーGT)(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ) ALPなどと同じく、肝・胆道系酵素と呼ばれ、胆汁のうっ滞で上昇します。先頭に戻る。
CK(クレアチニンキナーゼ) 筋肉、心臓、脳などの病気でそれらの細胞が障害をうけると上昇します。先頭に戻る。
NH3(アンモニア) 食事中のタンパク質などから合成される物質で毒性があり、肝臓で尿素に変換され腎臓から尿として排泄されます。重度肝障害、門脈シャント(腸管と肝臓を結ぶ門脈の走行異常で先天性、後天性がある。)、腎疾患で上昇します。肝疾患時に認められる脳障害(肝性脳症)の指標にもなります。運動、食事、検査までの検査材料の放置により上昇します。先頭に戻る。
BUN(尿素窒素) タンパク質の最終生産産物で腎臓から尿として体外に排泄される物です。蛋白摂取量、蛋白代謝量、腎機能に影響をうけます。蛋白摂取量の増加、代謝の増加、腎疾患で上昇します。腎疾患初期では上昇せず腎機能が75%障害をうけてはじめて上昇がみとめられます。先頭に戻る。
Cre(クレアチニン) 筋肉が収縮するときにクレアチンリン酸が分解されクレアチンになり、クレアチンの最終生産物としてクレアチニンが腎臓から排泄されます。クレアチニンは腎臓以外から排泄されませんので腎障害の指標になります。筋肉量によりクレアチニンの量が変動しますので、消耗性疾患などで筋肉の減少した患者ではクレアチンは減少します。尿素窒素と同様に初期の腎障害では上昇しません。先頭に戻る。
BUN/Cre比

尿素窒素クレアチニン比)

通常一定範囲に保たれています。この範囲以上に上昇した場合、脱水や食事により腎臓以外の原因が尿素窒を上昇させているか、筋肉量の低下により腎疾患があってもクレアチニンが上昇していないかのどちらかが考えられます。尿素窒素が低い場合、重度肝疾患により尿素窒素の合成が低下している可能性が考えられます。先頭に戻る。
TCho(総コレステロール) 食事から吸収されますが、体に必要なコレステロールをすべて食事から得ることが出来ませんので、小腸や肝臓で合成されます。細胞の膜を安定化させるのに必要だったり、各種ホルモンの核になったり生体にとっては重要です。糖尿病、腎疾患(ネフローゼ症候群)などで上昇し、重度肝疾患(肝不全)や吸収不良で低下します。先頭に戻る。
TG(中性脂肪) 食事から吸収されるものと肝臓で合成されるものがあり、栄養状態、消化吸収、肝疾患の指標となります。
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Glu(血糖値) グルコースともいわれ、血液中のブドウ糖の量を表します。ブドウ糖は体内の細胞のエネルギーとして利用される重要なもので、血糖値を上昇させるためにグルカゴンと呼ばれるホルモンが主に働き、低下させるためには唯一インスリンが働きます。インスリンの分泌量が低下したり、インスリンの反応が悪くなったりすることにより、高血糖になり腎臓から糖が出る糖尿病状態になります。猫の場合病院に来院したストレスなどで一時的高血糖になります。持続的高血糖つまり糖尿病かどうかは1回の採血だけでは判断できないことが多く、診断のため尿検査や一定期間の血糖値を反映するグリコヘモグロビンやフルクトサミンを測定し判断する必要があります。先頭に戻る。
Na(ナトリウム) ナトリウムイオンと呼ばれ血液中の電気を帯びた原子です。電解質とは液体中で陽イオンと陰イオンに分かれる物質のことです。ナトリウムイオンは細胞外液中に含まれる最も多い陽イオンです。猫の体は(人も同様ですが)約60%が水分でそのうち1/3が細胞の外にある水分(細胞外液)で2/3が細胞の中にある水分(細胞内液)です。細胞外液中のイオンで最も多いものがナトリウムです。浸透圧は半透膜の間で濃度の濃い方へ薄い方から液体が移動する圧力をさし、細胞外液の浸透圧を作り出している主たるものがナトリウムです。血液中のナトリウムの増加と全身のナトリウム量の増加は比例せず、ナトリウム量が水分の低下(脱水)により上昇してみえたり、水分の過剰摂取によりナトリウムが低下して見えたりしますが、体内のナトリウム総量の変化はないことが多です。体内のナトリウム量が増加すると通常は細胞外液量が増加し逆に低下すると細胞外液量が減ります。心疾患や高血圧で塩分を控えるのは、塩(NaCl)のイオンのひとつであるナトリウムの摂取を制限し体内のナトリウム量を増加させない、つまり細胞外液量を増加させないことが目的です。細胞外液量が増加することにより血液量が増え血圧が上昇し心臓への負荷が増加します。血中ナトリウム量は通常腎臓での排泄によりコントロールされます。
低ナトリウム血症は血液の全体量が減少しているか、正常か、増加している場合があり、それぞれ疾患が異なります。
血液量が減少している場合、体液の減少よりもナトリウムの減少の方が大きい場合で下痢、嘔吐などの消化管疾患や浸透圧利尿でみられます。
血液量の正常な低ナトリウム血症はナトリウムの量は正常で、体液量が増えている場合に起こり、利尿薬、SIADH、心因性多渇などにみられます。
血液量の増加をともなう低ナトリウム血症は体液量の増加とナトリウムの増加が同時にみられるますが体液量の増加の方が大きい場合にみられ、鬱血性心不全、肝硬変、ネフローゼ、急性腎不全、慢性腎不全でみられます。
高ナトリウム血症は低ナトリウム血症のと同様に血液量の減少、正常、増加を伴うものに分けられます。
血液量減少の場合は、ナトリウムの減少が体液の減少より少ない場合、また飲水量の増加の程度により起こります。下痢、嘔吐、浸透圧利尿等です。
血液量正常の場合は、体液量が減少しナトリウムは変化しない場合で呼吸、尿崩症、水分摂取不全等です。
血液量増加の場合は、高張液の投与、ミネラルコルチコイドの投与等です。先頭に戻る。
K(カリウム) カリウムイオンと呼ばれ血液中の電気を帯びた原子です。細胞内液に含まれる最も多い陽イオンです。全体カリウムイオンの約2%が細胞外液に含まれるだけです。細胞内カリウムの多くは筋細胞内に含まれているので全身カリウムは脂肪を除いた体重に比例します。カリウムは細胞内の浸透圧を決定する主要因子です。細胞内と細胞外のカリウム濃度の差が神経の伝達や筋肉の収縮に重要で、少量の細胞外液のカリウム濃度の変化であっても影響が出ます。細胞外液中のカリウムは細胞内との移動で変化することがほとんどなので細胞外液中のカリウム濃度を全身のカリウム濃度の指標とすることは難しいです。カリウムの移動で重要なのはインスリンでインスリンが存在するとブドウ糖と一緒に細胞内に入り細胞外カリウム濃度が低下します。アシドーシス(酸性血症)では細胞内から出ることにより上昇し、アルカローシス(アルカリ血症)では細胞内に入るので低下します。カリウムは食事から吸収され過剰に摂取されると尿として腎臓から排泄され、また、細胞内にも移動します。
低カリウム血症は摂取の低下でも起こりますが通常は消化管や腎からの過剰喪失によります。またインスリン投与による細胞内への移動、利尿剤の投与、ステロイド投与による腎遠位尿細管での再吸収の低下によっても低下します。心臓への影響が知られていて心室性、心房性期外収縮や頻拍性不整脈、2度3度の房室ブロック、ST下降、U波の増大などがみられます。
高カリウム血症、カリウムは腎臓が正常であれば過剰なカリウムを排泄するので持続的な上昇は腎臓のカリウム排泄能力の低下を示唆します。時にアシドーシスによる細胞内からの移動やインスリン欠乏時の糖尿病、腫瘍細胞の急激な溶解により起こります。先頭に戻る。
Ca(カルシウム) 筋肉の収縮、神経の伝達、血液凝固、ホルモン分泌など様々な体の機能に必要です。体のカルシウムの99%は骨にあります。血中のカルシウムはタンパク質の一種であるアルブミンと結合した状態のものが約40%、イオン化しているものが約50%で生理学的に活性のあるものです。残りは複合体やリン酸塩などです。
カルシウムの調節は上皮小体から分泌されるPTH(パラソルモン)とビタミンD、甲状腺から分泌されるカルシトニンによりされています。
上皮小体がカルシウムの低下を感知することによりPTHが分泌され、腎臓での再吸収や腸での吸収、骨からの動員がおこり、数分以内にカルシウム濃度の上昇が起こります。また、ビタミンDにより小腸でのカルシウム吸収が増加します。またカルシトニンによりカルシウムの細胞への取り込み、腎性排泄、骨形成によりカルシウム濃度を減少させます。ただ、この作用は上皮小体やビタミンDによるカルシウム調節機能に比べるとはるかに弱いです。
低カルシウム血症は上皮小体機能低下(腫瘍摘出などに伴う)、ビタミンDの不足(摂取不足、腎不全による腎でのビタミンD活性化の低下)、腎不全による高リン血症、急性膵炎によるカルシウムのキレート、低蛋白血症、低マグネシウム血症などによります。
高カルシウム血症は上皮小体機能亢進症、二次性上皮小体機能亢進症(腎疾患等で低カルシウム血症がPTHの分泌刺激が持続し高カルシウムになる。)、腫瘍性(骨転移、PTH関連ペプチド)、外因性ビタミンD過剰によります。先頭に戻る。
P(リン) ほとんど酸素と結合しリン酸塩として存在しています(PO4)。骨に85%は含まれ、成長期では血中リン濃度が高くなります。
低リン血症は糖尿病性ケトアシドーシスの回復期、重度の熱傷などで低リン血症により重度の神経筋障害、溶血性貧血、横紋筋融解などがおこります。
高リン血症は一般的に腎からの排泄の減少として発症します。先頭に戻る。
Mg(マグネシウム) 50%は骨の中で、細胞外液中には1%しか存在しません。マグネシウムの維持はほぼ摂取機能によるところが多く、食事中の含有量、小腸、腎臓での保持機能が影響します。多くの酵素に関連し、またカルシウムやカリウムの代謝にも深く関連していますが仕組みはほとんどわかっていません。
低マグネシウム血症は通常摂取不足と腎や小腸での吸収障害によって起こります。低カルシウム血症と併発することが多いです。
高マグネシウム血症はまれで、腎不全患者がマグネシウムを含んだ制酸剤や下剤を飲んだ後に起こることがあります。先頭に戻る。
寄生虫他

回虫卵

回虫卵 左写真は子猫の便の中に見られた回虫卵の顕微鏡写真です。肉眼では回虫卵は確認できません。回虫の感染経路は大きく3つに分けられます。経乳汁感染、第3期幼虫形成卵の経口摂取、待機宿主の摂取(第3期幼虫形成卵の経口摂取したネズミ、ミミズ、鳥、カブトムシ、ゴキブリなど)でおこります。第3期幼虫形成卵にまで回虫卵が成熟するまで最低でも4週間はかかります。つまり、糞便中に排泄された出たての回虫卵には感染能力はありませせん。また、猫回虫には経胎盤感染はないとされています。回虫卵は通常の消毒薬では排除できません、また、環境に数ヶ月から年単位で感染能力を持ち続けます。ある報告では3ヶ月以下の子猫の感染率は30%成猫で10%と言われています。雄で10cm 雌で15cm。糸状の虫です。 症状は8週齢以前の子猫で大量に寄生すると下痢や毛づやが悪くなったり、腹部膨満が見られます。経乳汁感染では幼虫移行が見られませんので、症状は消化管のみに限定されます。第3期幼虫形成卵を人間が経口的に摂取すると幼虫が体のなかで移動し発熱や咳、視力障害など引き起こす可能性もあります。先頭に戻る。
耳ダニの動画:耳ダニが動いているのが確認できます。 耳ダニ 左写真は耳ダニの顕微鏡写真です。耳ダニは外耳炎の原因になることが多いです。外耳道に寄生し上皮の残渣や組織液を餌としています。まれに外耳道だけでなく頭や首にも寄生が見られます。茶色や黒色の耳垢がおおく見られます。とても耳をかゆがります。アレルギー(過敏反応)が見られることがあります。動画の説明:感染している猫の外耳道から採取したダニです。ダニが動いているのがわかります。

上は耳ダニの卵です。先頭に戻る。

瓜実条虫の片節の動画:片節が尺取り虫のように動いているのがわかります。
上の写真は動いていた瓜実条虫の片節が乾燥したものです。瓜実条虫はノミやシラミが媒介する寄生虫です。寄生した体内で成長した成虫(15〜50cm)の片節(3−5mm)が肛門から出ててきます。肛門から出た直後(便の上に認められることもあります。)は尺取り虫の様に動いていますが5〜10分後には乾燥して堅くなり、瓜の種の様に変化します。猫が寝ている場所に片節が落ちているのが見つかることがあります。感染による症状はほとんど見られません。条虫のこどもである偽嚢尾虫をもったノミ(ノミの項目も参照してください。)を経口的に摂取してしまうと人間にも感染が起こりますので、ノミを手でつぶすことはしてはいけません。先頭に戻る。

2009 8.3